元帥閣下は勲章よりも男装花嫁を所望する
……ん? 今私、何て思った? 『初恋の相手』だって?
自分の思考に自分で赤面する。
初めて会った時から気になって、再会できる日を夢見ていた。その気持ちは厳重に軍服の中に隠さねばならなかった。
私、レオンハルト様が好きなの?
そう考えると、ますます頬と胸が熱くなってきた。
バカなことを考えている場合じゃない。今は作戦に集中……じゃない、眠ることに集中しないと。
そう思えば思うほど、頭の中は艦隊とレオンハルト様との思い出でぐちゃぐちゃになり、結局なかなか寝付けないまま朝を迎えてしまった。
レオンハルト様の起床予定時間より早く起き、と言ってもほとんど眠れていなかったのだけど。とにかく起き上がって、布団をかぶったまま着替えを完了した。
「レオンハルト様、起床時間です」
予定されていた時間ぴったりに彼を起こす。六時間後には敵軍と衝突する。しかし彼はゆったりと、優雅な仕草で起き上がった。全く緊張している素振りはない。
「……案外いいものだな、美青年に起こされるというのも」
そんな冗談まで言い、寝床から出るとすぐに着替え始める。私はそれを直視しないように気をつけながら、コーヒーを淹れると言って部屋の外へ出た。