【完】麗人、月の姫



「運動が終わったことだし、次に技についてやる。その人によって能力ややり方は違うが、真似てするのも1つの手だと思う」

あ。あのとき私が傷を癒やしたように…………。


「お前の能力はまだ分からないが、これから手探りで知っていくしかない」


「分かった」

「じゃあ、俺が技の手本を見せるから見とけ」


透真くんはそう言うとあの時のように、手で三角を作った。


集中するように目を閉じると、光と共に鋭い剣が姿を現す。

半分まで出きったところで、剣を右手で掴んだ。


「俺の能力は剣士。この剣には月人の力が込められており、かつて麗人を護る為に主が授けたと言われている」

なるほど。麗人の力だから陰人には効果があるのか。

月の力だから…………。


「蓮兄や幸兄もそれぞれ能力は違う。まぁ、見たらしいから分かるだろうけど」

「うん。扇子で不思議な力を出してた」

「そうだ。蓮兄の力は扇子を使い、技を繰り出す能力。幸兄は体の中に微量な麗人の力を持っており、いわゆる麗人の化身みたいなものだ。その身を持って武器となる」

あのときの武器を使わないで敵を倒したり、地面に書いた印に血を落として月の国に来たりできたのは、幸斗さんの中に麗人の力があったから……………。


ということは、私も武器を使わない何かが出来るんじゃ!?

だって幸斗さんは麗人の化身でしょ?

麗人の私が出来ないわけがない……!


「ん?どうした?」

「ちょっと待って……」

指を☓になるように絡める。

「それは、幸兄の…………そうか……っ!」

幸斗さんのように完璧に出来なくても、それらしい事がせめてできれば……。


< 33 / 86 >

この作品をシェア

pagetop