【完】麗人、月の姫
「運動が終わったことだし、次に技についてやる。その人によって能力ややり方は違うが、真似てするのも1つの手だと思う」
あ。あのとき私が傷を癒やしたように…………。
「お前の能力はまだ分からないが、これから手探りで知っていくしかない」
「分かった」
「じゃあ、俺が技の手本を見せるから見とけ」
透真くんはそう言うとあの時のように、手で三角を作った。
集中するように目を閉じると、光と共に鋭い剣が姿を現す。
半分まで出きったところで、剣を右手で掴んだ。
「俺の能力は剣士。この剣には月人の力が込められており、かつて麗人を護る為に主が授けたと言われている」
なるほど。麗人の力だから陰人には効果があるのか。
月の力だから…………。
「蓮兄や幸兄もそれぞれ能力は違う。まぁ、見たらしいから分かるだろうけど」
「うん。扇子で不思議な力を出してた」
「そうだ。蓮兄の力は扇子を使い、技を繰り出す能力。幸兄は体の中に微量な麗人の力を持っており、いわゆる麗人の化身みたいなものだ。その身を持って武器となる」
あのときの武器を使わないで敵を倒したり、地面に書いた印に血を落として月の国に来たりできたのは、幸斗さんの中に麗人の力があったから……………。
ということは、私も武器を使わない何かが出来るんじゃ!?
だって幸斗さんは麗人の化身でしょ?
麗人の私が出来ないわけがない……!
「ん?どうした?」
「ちょっと待って……」
指を☓になるように絡める。
「それは、幸兄の…………そうか……っ!」
幸斗さんのように完璧に出来なくても、それらしい事がせめてできれば……。