【完】麗人、月の姫


見よう見真似で星型になるように印を作る。


これで、成功_____…………!!!!


「何も起きねぇな」

幸斗さんのようにやってみせたのに、何にも起きなかった。

「お前本当に麗人なのか?」

「……………………」


何にも言い返せない。

不思議な事はたくさんあったけど今の私を見ると、あれは偶然出来たまぐれで、実は麗人でも何でもないんじゃないかって思ってしまう。

「………冗談ぐらい気づけ。再開するぞ」

「え………?」

あれ冗談だったの!?

スゴく分かりづらい!!!!

そして、冗談なんて言う人だったんだ……!


「あ"?」

「いや………………何でもないです」

怖い……………。

あの時も記憶を消すとかなんとか言ってたし……。

あれ。でも、優しいとこもあったよね?

なんか、透真くんはよく分からないや。


「あ」

「どうした?」

「あそこ…………」

周りを囲む石の壁の上に、白い小鳥が力なく倒れているのが目に入った。

あのぐらいなら何とかよじ登れる………。


「ちょっと待ってて!」

「あ、おい!」

あ、大丈夫。

隙間に手を置けば、何とか上まで登れそうだ。


あと少し………………。 

「登れた!!……………あ、そうだ小鳥さん」

倒れる小鳥を両手で拾い上げる。

まだ生きてるようだが、翼は酷く損傷しており飛べそうにない。

「何か………できれば」

直ぐに痛みを取ってあげたい。

でも、そんな魔法みたいなこと出来るはずが……………………………いや、私なら出来る!


あの時のように傷を治せば。




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