無慈悲な部長に甘く求愛されてます

「君のことだから、どうせフルーヴのケーキが食べたいと思ってたところだろう」

 冴島さんの言葉に、私はぽかんと口を開ける。

 まさか、わざわざ買いに行って、戻ってきてくれたの?

 押し込めていたものがぶわりとこみ上げて、私はとっさに顔を伏せた。

 熱い。

 頬も、耳も、胸の中も、熱くてたまらない。

「君はセクレタリーの仕事以外に通常業務を受け持ってる。ひとつひとつの仕事は小さいことでもその量は宮田の業務の比じゃない。そんなこと、自分でわかってるだろ」

 叱責口調に首を縮めた。

 冴島部長から面と向かって怒られるのは、初めてかもしれない。

 それなのに、私の胸にはもやもやと腹立たしい気持ちが湧いてくる。

「なんでもかんでも簡単に引き受けるんじゃない」

 私だって、あのとき冴島さんが来なければ、宮田くんに断ろうとしていた。

 そうだ。そもそも、冴島さんのせいでこんなことになったんじゃない。

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