無慈悲な部長に甘く求愛されてます
「ほら、貸してみろ」
冴島さんは私の前に積み重なっていた書類を引き寄せると、一枚ずつ目を通して仕分けていった。
戻された書類は、のこり半分だったのが、さらにその半分にまで減っている。
「そっちは明日以降でかまわないから、ひとまずこれを片付けるぞ」
「え」
冴島部長はカバンからノートパソコンを取り出すと、ソフトを立ち上げた。
あっけに取られながら、私は高速でキーを叩いていく大きな手を見つめる。
「あの、でも、このファイルはふたり同時には開けないんじゃ……」
「ファイルに保存できなくても、数値をデータ化しておけば、あとでまとめてコピペできるだろ」
なるほど、なんて思っているあいだに、冴島部長はどんどん書類を片付けていく。
私もあわててパソコンに向き直り、残りの書類とにらみ合った。