無慈悲な部長に甘く求愛されてます
オフィスの花という呼び方がぴったりの落ち着いた美人と思いきや、時折ピリリとスパイスのきいた一言を発したり、真顔で冗談を言ったりする、とても楽しくて尊敬すべき友人を思い浮かべた。
冴島さんとのことを、打ち明けたい。
真凛にだけは。
前にパウダールームで軽く相談をしてから、話さなきゃと思いながらもタイミングを見つけられず、結局1か月も経ってしまった。
お互い仕事が立て込んでいて、しばらく飲みにはいけなさそうだし……。
いつ、どこで話をしよう。
悩みながらエレベーターホールに向かってボタンを押すと、すぐにランプが点灯し、左右の壁に三基ずつ並んだエレベーターのひとつが扉を開いた。
「あ」
下からのぼってきたそのエレベーターには先客がいた。
「冴島さん」
私に気付いたとたん、ぴしりと締まっていた顔が優しく崩れる。
「おつかれ」
「フロアに用事ですか?」
「いや、迎えにきただけ。ちょうどいいタイミングだったな」