無慈悲な部長に甘く求愛されてます
「それなら、俺が選んで君にプレゼントすることにしよう」
「え!」
ずかずかと店舗に入っていく背中に、唖然としてしまう。
「ま、待ってください部長」
追いすがると、彼は急に振り返って私を見下ろした。
「外で部長はやめてくれ」
「え、あ……はい」
勢いに飲まれて、私は立ち尽くした。そのすきに、冴島部長は次々に私に洋服をあてがっていく。
「ふむ、なるほど」
着せ替えマネキンのように呆然と突っ立っている私に、冴島さんはハンガーを押し付けた。
「これとこれ、試着してこい」
「え」
「ほら、早く」
「待ってください部長……あ」
私を見下ろす整った顔に、威圧的な気配が重なっていく。
「さ……冴島さん」
言い直すと、彼はにこりと笑ってエスコートするように私の背中を押した。
「ひとりで着れないっていうんなら、俺が手伝ってやる」
「き、着ます!着れます!」
服を抱えて、私は大慌てで試着室に駆け込んだ。