浅葱色の魁
「平助君を部屋に運びます」
伊東が軽々と肩に担ぐ
部屋に到着すると
永倉と陽乃が駆けてきて、布団を敷く
そろりと布団に下ろす
「永倉君 俺達は、広間に戻ろう
陽乃、君は平助君の主治医なんだろ
後は任せていいかな?」
「はい」
熱がないことなどを確認していると
平助が目を覚ました
「陽乃?」
「どこか痛むのですか?」
「いや…」
「では、なぜ泣いておられるのです?」
「さぁ… よくわかんねえけど…
腹減った」
「え?」
「くすっ 何があっても腹減るもんだな」
「今朝は、何を召し上がったのですか?」
「あー、そういえば昨日の朝餉以来
何も食ってねえ」
「倒れた原因は、それです!
空腹で倒れるなんて!うっかりにも
限度というものがあります!」
「陽乃の飯食いたい」
「長い空腹の後ですから、お粥ですね」
「えー!がっつり食べたい!」
「なりません!
食べたら、吐きますよ!?」
「それは、やだな
陽乃先生の言うとおりにする」
陽乃の作ったお粥を食べて満足していると
「伊東さん… ちょっと見直しました
判断を素早く的確にされるのですね
それに…
平助様の事、大事に扱ってくれてました
もしかしたら、平助様を好きなのかな」
「……まさか」
「前の宴の時も、弟さんを皆の前で
叱りつけておりましたよ
『平助君は、貴方の勝てる相手じゃない
俺のお気に入りに何してくれてんだ…』
と、あの時の伊東さんは怖かったです」
「お気に入り…」
〝どういう意味だろう〟
その後
倒れた原因が、空腹ということで
土方から説教され
1日療養することになった
〝はぁーーー説教長ぇ…疲れた〟
伊東が軽々と肩に担ぐ
部屋に到着すると
永倉と陽乃が駆けてきて、布団を敷く
そろりと布団に下ろす
「永倉君 俺達は、広間に戻ろう
陽乃、君は平助君の主治医なんだろ
後は任せていいかな?」
「はい」
熱がないことなどを確認していると
平助が目を覚ました
「陽乃?」
「どこか痛むのですか?」
「いや…」
「では、なぜ泣いておられるのです?」
「さぁ… よくわかんねえけど…
腹減った」
「え?」
「くすっ 何があっても腹減るもんだな」
「今朝は、何を召し上がったのですか?」
「あー、そういえば昨日の朝餉以来
何も食ってねえ」
「倒れた原因は、それです!
空腹で倒れるなんて!うっかりにも
限度というものがあります!」
「陽乃の飯食いたい」
「長い空腹の後ですから、お粥ですね」
「えー!がっつり食べたい!」
「なりません!
食べたら、吐きますよ!?」
「それは、やだな
陽乃先生の言うとおりにする」
陽乃の作ったお粥を食べて満足していると
「伊東さん… ちょっと見直しました
判断を素早く的確にされるのですね
それに…
平助様の事、大事に扱ってくれてました
もしかしたら、平助様を好きなのかな」
「……まさか」
「前の宴の時も、弟さんを皆の前で
叱りつけておりましたよ
『平助君は、貴方の勝てる相手じゃない
俺のお気に入りに何してくれてんだ…』
と、あの時の伊東さんは怖かったです」
「お気に入り…」
〝どういう意味だろう〟
その後
倒れた原因が、空腹ということで
土方から説教され
1日療養することになった
〝はぁーーー説教長ぇ…疲れた〟