クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
「こういう場合、誰に言えばいいんでしょうか?」
おずおずと尋ねられ、私は考えを巡らせた。学生支援課? でも、こんなことに対応してくれるのだろうか。
そのとき、強めの風が吹いて、葉擦れの音と、どこかでなにかが転がる音が耳に届く。思わず目を閉じてしまったけど、改めて子猫を見れば、枝が大きく揺れた。
それを見て、あれこれ考える暇もなく、私は鞄をその場に放り投げると、木に足をかけた。
「え」
「大丈夫、木登りは得意だから」
驚く彼女を尻目に私は上へと手を伸ばす。兄三人に連れられ、こうしてよく遊んだのを思い出す。スカートならさすがに躊躇ったけど、パンツだし。
それにしても、まさかこの年になって木に登ることになるなんて。
木の表面はごつごつしていたので、パンプスでも思ったよりも登りやすい。そして子猫がしがみついている枝まで、なんとか顔を出すことができた。
「おいで」
極力怯えさせないように私は手を伸ばした。けれど、子猫はこちらに見向きもしない。しょうがなく私は身を乗り出して、必死に腕を伸ばした。
この高さになると、色づき始めた葉が生い茂っていて、細い枝があちこちに伸びている。腕を伸ばすはずみに、枝に髪を引っ掛け、結っていた髪が無造作にほどけた。でも、そんなことを気にしていられない。
猫に来てもらうことは諦め、私は強引に右手の掌で猫を奪うようにして掴んだ。かすかな温もりを感じて、壊れそうだと怖くなる。
それくらい猫は小さかった。猫を庇いながら慎重に木から降りて、とりあえず彼女に猫を手渡した。
おずおずと尋ねられ、私は考えを巡らせた。学生支援課? でも、こんなことに対応してくれるのだろうか。
そのとき、強めの風が吹いて、葉擦れの音と、どこかでなにかが転がる音が耳に届く。思わず目を閉じてしまったけど、改めて子猫を見れば、枝が大きく揺れた。
それを見て、あれこれ考える暇もなく、私は鞄をその場に放り投げると、木に足をかけた。
「え」
「大丈夫、木登りは得意だから」
驚く彼女を尻目に私は上へと手を伸ばす。兄三人に連れられ、こうしてよく遊んだのを思い出す。スカートならさすがに躊躇ったけど、パンツだし。
それにしても、まさかこの年になって木に登ることになるなんて。
木の表面はごつごつしていたので、パンプスでも思ったよりも登りやすい。そして子猫がしがみついている枝まで、なんとか顔を出すことができた。
「おいで」
極力怯えさせないように私は手を伸ばした。けれど、子猫はこちらに見向きもしない。しょうがなく私は身を乗り出して、必死に腕を伸ばした。
この高さになると、色づき始めた葉が生い茂っていて、細い枝があちこちに伸びている。腕を伸ばすはずみに、枝に髪を引っ掛け、結っていた髪が無造作にほどけた。でも、そんなことを気にしていられない。
猫に来てもらうことは諦め、私は強引に右手の掌で猫を奪うようにして掴んだ。かすかな温もりを感じて、壊れそうだと怖くなる。
それくらい猫は小さかった。猫を庇いながら慎重に木から降りて、とりあえず彼女に猫を手渡した。