クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
首元にひんやりとした感触があり、緊張しつつも、どこかこそばゆい。
入学したばかりの頃の私では、想像できなかった姿だ。改めて幹弥にお礼を言おう、そう思って秋晴れの中、私は大学に向かった。
昼休み前の二限を終えるチャイムが構内に響く中、私は演習室のある研究棟に足を進める。しかしふと、耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
猫?
不思議に思いながら、顔を向けると、左には図書館がある。けれど猫の姿もなければ、声も聞こえない。気のせいだったか、と思い前を向こうとしたところで、消え入りそうな猫の声がやはり聞こえた。
早足で図書館の右側の壁に沿って奥に進む。すると、猫の鳴き声が徐々にはっきりと聞こえてきて、やがて、ひとりの女子が心配そうに木の上を見上げているのが目に入った。
「あの」
話しかけると、彼女は驚いた顔でこちらを見た。その表情は強張っているけれど、ぱっと思ったのは美人という印象。
くっきりとした目鼻立ちにストレートで艶のある髪が肩下で揺れている。どこかあどけなさがある彼女の口がおもむろに動いた。
「すみません、私、大学の人間じゃないんですけど、身内が通っているから、ちょっと来てみたんです。そうしたら、猫の声が聞こえて……」
彼女の視線が再び、上を向いたので私もその先を追いかける。そこには、わりと高いところにある木の枝の先に小さな子猫が必死にしがみつき、助けを求めるように鳴いていた。
風や子猫の重さを受け、枝がしなるたびに、白い塊がわずかに上下に動く。あの高さから落ちたら、猫とはいえ危険だ。
入学したばかりの頃の私では、想像できなかった姿だ。改めて幹弥にお礼を言おう、そう思って秋晴れの中、私は大学に向かった。
昼休み前の二限を終えるチャイムが構内に響く中、私は演習室のある研究棟に足を進める。しかしふと、耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
猫?
不思議に思いながら、顔を向けると、左には図書館がある。けれど猫の姿もなければ、声も聞こえない。気のせいだったか、と思い前を向こうとしたところで、消え入りそうな猫の声がやはり聞こえた。
早足で図書館の右側の壁に沿って奥に進む。すると、猫の鳴き声が徐々にはっきりと聞こえてきて、やがて、ひとりの女子が心配そうに木の上を見上げているのが目に入った。
「あの」
話しかけると、彼女は驚いた顔でこちらを見た。その表情は強張っているけれど、ぱっと思ったのは美人という印象。
くっきりとした目鼻立ちにストレートで艶のある髪が肩下で揺れている。どこかあどけなさがある彼女の口がおもむろに動いた。
「すみません、私、大学の人間じゃないんですけど、身内が通っているから、ちょっと来てみたんです。そうしたら、猫の声が聞こえて……」
彼女の視線が再び、上を向いたので私もその先を追いかける。そこには、わりと高いところにある木の枝の先に小さな子猫が必死にしがみつき、助けを求めるように鳴いていた。
風や子猫の重さを受け、枝がしなるたびに、白い塊がわずかに上下に動く。あの高さから落ちたら、猫とはいえ危険だ。