求めよ、さらば与えられん
え?え……え!?



「だ、だれ……?」



女の人は優美な笑みを浮かべた。そして私の頬に触れた。触れた指先から感じる温もり。なんだか懐かしい感じがして、熱いものがこみ上げてきた。



「わらわのことが分からぬか?」



容姿と共に、声も澄んでいて美しかった。


風になびく髪の毛はよく見ると虹色だった。



「アウ、ロラ……?」



彼女は笑みを深めた。何故か涙が溢れた。止まらない。


アウロラの笑顔はどうしてだか私に安心感をくれた。心が温かくなる。



「なに、が…どうなって、るの?」

「わらわは虹花が精霊、アウロラ。 そなたのお陰で再びこの姿となる事が叶った」

「精霊? 妖精って事?」

「妖精と精霊は違う存在だ」



そうなの?


というか、突然精霊だと言われても頭がついていかない。


ズルズルと鼻水をすすったら、アウロラに笑われてしまった。



「我が主人(あるじ)よ、これからはそなたの為の力となろう」

「主人って何!? 私!?」

「ほかに誰がおるというのだ。 深く考えずとも良い。 そなたの言う“家族”と思おてくれればよい」



家族……そっか、家族……。



「分かった。 これからも宜しく。 アウロラ」



私たちは笑い合い手を取り合った。





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