求めよ、さらば与えられん
次の日から戦地へ赴く為の準備で忙しかった。


アウロラは常に側に居てくれる。私以外の人に見えない事をいいことに、いろんな人の観察をしている。気にならないといえば嘘になるけど、聞いたら人の秘密を勝手に知るようで申し訳ないので、アウロラに聞きたい気持ちをグッと堪えている。


いつの日かアウロラが『いつの世も人とは面白いものだな』と言葉を漏らしていた。その言葉を聞いたときは一体何を見聞きしたんだと無性に気になった。


薬草園に向かいながら空を見上げると、なんだか雲行きが怪しかった。


明日から戦地に向かうっていうのに……このまま雨降らないといいな。



「神々はいついかなる時も平等であり、それは世界に慈悲と無慈悲をもたらすものだ」



アウロラは時々難しい事を言う。


虹花の精霊は主人を喪うと同時に土に還り、また主人を見つけるとその姿は形となりこの世に現れるのだという。そんなアウロラはいろんな時代を観てきたのだろう。



「それはどういう意味なの?」

「そなたの思いとは裏腹に、雨は降るやもしれぬ…という事だ」

「そうなったらそうなったで気持ちを切り替えるしかないでしょうね。 世界は天に生かされているのだもの」

「わらわはそなたのそういう所も好きだ」

「あはは、ありがとう」





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