求めよ、さらば与えられん
気持ちが落ち着いて、私が眠っていた一週間の出来事をアウロラが教えてくれた。


力を取り戻したマクブレイン国はベルギウス国を討ち取った。そして、ベルギウス国の戦闘指揮をとっていた人たちの首はジーン王子が落としたのだと……。


私はマクブレイン国を救いたかった。みんなに死んでほしくなかった。けど私のその想いがベルギウス国に惨劇を招いた。これで良かったと思えない私の心は中途半端なのかもしれない。



「そなたには聞く権利がある」

「え?」

「ヘンリーという者、まだこの城に滞在しておるぞ」

「ヘンリーが? いる?」

「あ奴ら、寄ってたかってそなたを謀っておったのだ。 文句の一つや二つ、言うてやれ」



知りたい事、確かめたい事がたくさんある。走り出した私にヘンリーの居場所を教えながら付いてきてくれるアウロラ。



「あっ! ご、ごめんなさい!!」



人にぶつかりそうになりながらも必死に走った。




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