求めよ、さらば与えられん
食堂から戻ったら直ぐに寝る準備をしようと思ってた。これは絶対何かの間違いだと思うから。それでも胸に何かが引っかかる感じがして、気持ち悪くて、馬鹿らしいと思いながらもドレスに袖を通してしまった。


白い膝丈のドレス。着ているのを忘れてしまいそうなほど着心地がいい。ぺったんこの靴しか持っていない自分が残念でならない。


すっかりドレスにのせられてしまい、髪の毛を丁寧にブラシでとかし、いつもはしないお化粧をほんの少しだけ施した。


お化粧道具は化粧っ気のない私にとロアナがプレゼントしてくれた。使い方も教えてもらったけど、ロアナの様に上手くは出来ない。普段からしないとダメなんだろうけど、ついつい怠けてしまう。


_コンコンコン。



「はい」

「オルセンでございます。 お迎えに参りました」



ドアを開けると髪の毛一本たりとも乱れぬオルセンさんが、ニコリともせず立っていた。


隙がない。その言葉に尽きる。


私はオルセンさんの後ろを静かについて歩いた。


こんな時間に廊下に出たのは初めてで変な感じがした。窓から見える景色も初めて見る景色の様だった。


暫く歩いていると大きな扉が見えてきた。その前で足を止めると、警備の人2人に見られた。パパの所へ行った時のことを思い出す。





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