求めよ、さらば与えられん
部屋に入ると気持ちが落ち着く様なお香のいい香りがした。


ソファーに優雅に座っている国王陛下。オルセンさんは頭を下げた。それを見てハッとした。私も下げなきゃ!



「突然の誘い、受けてくれてありがとう」

「い、いいえ! 御誘い頂きありがとうございます!」

「君は姓がないと聞いたが?」

「……はい」



私はパパの姓は名乗らないと決めている。それならママの姓を名乗ればいいんだろうけど、ママの姓は知らない。子供の頃は気にしたこともなかったから、パパに聞いたことはない。



「では、ベアトリーチェと呼んでもいいかな?」

「は、はい!」



優しい笑顔で促され、私はソファーに腰を下ろした。見た目以上に柔らかくてびっくりした。


オルセンさんは国王陛下と私のお茶を用意すると、壁際へそっと下がった。



「ドレス、とてもよく似合っている」

「ありがとうございます!」



じゃなくて!



「こんな素敵なドレス本当に頂いていいんですか!?」

「勿論だとも。 こんなおじさんの誘いを受けてくれた礼だ」

「おじさんじゃないです!」



身を乗り出すと国王陛下に笑われてしまった。恥ずかしい。


ちゃんと座り直して火照る頬を押さえながらお茶を飲んだ。


あ……美味しい。





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