私の運命、変えてみせます!
暗くなっていく私とは真逆に、クロレさんは何故か笑っている。
そして、数回私の頭を撫でて顔を覗きこまれた。
「何があったかは分かんないけど、無理して嫌いにならなくてもいいんじゃないかな」
「……え?」
ゆっくりと顔を上げてクロレさんに向き直るようにすると、優しく微笑みながら心の奥底を覗き込まれているかのように私の気持ちを汲み取られる。
「そこまで拒絶するのは、他人から言われた?まったく、そいつも目がないね〜こんなに素敵になる女性滅多にいないよ」
いつの間にか針やハサミ達が布を切って縫い合わせていくその光景に、小さく声が漏れた。
みるみるうちにその姿を変えていく布は嬉しそうだ。
「いい?確かに自分が好むものと、似合うものがまったく違うかもしれない。それでも、好きを我慢するのだけはしちゃダメ。せっかく女の子に生まれてきたって言うのに、お洒落を我慢してどうするの?」
「で、でも……似合わないっていう札貼られると……自分でもそう思っちゃうというか」
「他人からの評価も大事だけど、決めつけられたと捉えると何事も踏み出せなくなるのよ。ここは、あなたのいた世界じゃないの。一から自分を見つめ直せるそんな場所……でしょ」
あっという間に出来上がったワンピースを見て、思わず感嘆の声を上げた。