私の運命、変えてみせます!
大人っぽさの中に可愛さも詰まっているそんなワンピースを手渡され、小さく手が震えた。
こんな素敵なワンピース、私が着てもいいんだろうか。
“なんか少しおばさん臭いっていうか、センス磨けば?”
嘲笑うようにそう彼に言われた言葉が頭に浮かんで、どうしても着替えることを躊躇ってしまう。
言葉というものは、簡単に人を喜ばせ、傷つける。
でも……私はもう、あの人の隣を歩くわけでもなんでもないんだ。
そうだ、私――変わってやりたい。
一つ呼吸をしてから、クロレさんに着替えますと声をかけカーテンを閉めた。
今まで着ていた服を脱ぎ捨て、下着だけになると作られたばかりのワンピースに袖を通した。
しっとりとしたその肌触りが私を包んでいく。
華奢な私にピッタリと合うそのワンピースを、思わずそっと撫でた。
「あなたが私を選んでくれたのよね」
ありがとう、と呟くと微かにスカートが揺れた。