王太子様は、王宮薬師を独占中~この溺愛、媚薬のせいではありません!~


「すまない、父上が。……すぐにシャーリーンに罪を認めさせるから待っていてくれ」

「シャーリーン様は?」

「今度はだんまりを決め込んでいる。仕方なく、今は一室に軟禁状態だ。薬を使ったかどうかをまず本人に認めさせなければならない」

「そうですか」

「君が作ったというのは本当か?」


ぎゅ、と手を握られ、エマは少しだけ申し訳ない気分になった。


「はい。……でも最初は断ったんです。惚れ薬など作れませんって。……でも、興味本位で作ってしまったんです。ヴァレリア様とセオドア様がいらっしゃったときに、一度お茶にいれたのを覚えていますか? 両想いのふたりが飲むなら、それは勇気を出すための薬になると思いました。でもお二人も飲まなかったし、その後は捨てようと思っていたんですが、シャーリーン様に取られてしまって……」


エマはギルバートを改めて見つめる。顔色もよくなっているし、すっかり元通りの様子だ。
それに少し救われた気分で続ける。


「奪われるような形だったので、量の説明ができなかったんです。一度使うだけなら、問題のない薬なんです。ほんの数日、目の前の人を恋しい人だと思う効果があるだけ。でも、繰り返し使うと、暗示のような効果になってしまうので、あなたのように思考がぼんやりとして果ては眠り続けてしまう。……結果として、あなたを、あんな目に遭わせたのは、私の責任なんです」

「だから、おとなしく捕まったっていうのか?」


呆れたような声だ。うなずくエマの手を、ギルバートは大きくため息をつきながらより強く握る。

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