素直になれない、金曜日
苦しげだった表情を思い出して、私まで息が詰まりそうになる。
……やっぱり、すごく心配。
あのあと一度も下に降りてきていないみたいだし、飲み物すら口にしていないんじゃないかな。
もしかして、熱をあげて動けない、とか─────。
あれこれ想像しているうちに、居てもたってもいられなくなって。
もう一つ、伏せてあったグラスをひっくり返して、よく冷えたスポーツドリンクをなみなみと注いだ。
たしかに、私が今ここにいるのは葵依ちゃんの面倒をみるため、かもしれないけど。
せっかくここにいるのに、あんな状態の砂川くんのことを放っておくことなんて、できないよ。
ふと、自分が風邪をひいたときのことを思い出す。
私が熱を出したときは、いつもお母さんが私が眠る、すぐ傍にいてくれた。
しんどくて弱っているときに、ひとりぼっちって心細いと思うから。
誰かが隣にいるだけで、少しは違うと思うんだ。
お節介だと思われるかもしれない、けれど。
こういうときは、お節介のひとつやふたつくらい、やかせてほしいよ。