素直になれない、金曜日
そんな砂川くんに、きょとんと首を傾げると。
「今の、なに……」
ぼそりと砂川くんが呟いたのが聞こえて。
「なにって、熱測っただけ、だよ?」
我が家ではいつも、こんな感じだもの。
小春が熱を出したときも、額同士を重ね合わせておおよその体温を測ったり。
「……あのさあ」
一度、口を噤んで。
また、開く。
心做しか切羽詰まっているような表情で。
「ここ、俺の部屋」
「えと……うん、わかってる、よ?」
「全然わかってない」
砂川は、は、と浅く息を吐いて首を横に振った。
だけど、私にはわからない。
砂川くんの言いたいこと。
首を傾けた私を追い詰めるかのように砂川くんが言葉を重ねた。
「風邪ひいてるとはいえ、仮にも男の部屋────しかも、ベッドの上で。それってどういう状況なのか、」
ちゃんとわかってる?
質問の体をとりながらも、答えさせる気は一切ないようで。
ふい、と顔を背けた砂川くんの横顔は、先程までよりも火照ってみえた。
「あんまり無防備だと、困る」
「え……?」