素直になれない、金曜日
「あの……、迷惑、かもしれないんだけど」
逃げ道を作るように前置いて。
「ご飯作ったんだ。……お粥なら砂川くんも食べられるかなって思って」
「……まじで?」
「あっ、えっと、要らないなら大丈夫だよ!」
ふるふる、と首を横に振りながら言うと、砂川くんがそれを制した。
「要らないとか、迷惑とか、思ってないから。まあ……至れり尽くせりで申し訳ないな、くらいは思ってるけど」
マスクを少し引っ張りあげながら砂川くんはそう言って。
私の手元のトレイをじっと見て言葉を続けた。
「それ、俺が食ってもいいの?」
「……う、うん!もちろん!」
思ってもみない返事に、私はぱっと顔を上げて勢いよく頷いた。
「やった。ちょうど腹減ってたんだよな」
純粋に嬉しそうな笑顔を見せるから、私までつられて嬉しくなって。
自然と口角が上がってしまう。
ふわふわした気持ちを持て余しながら、砂川くんに促されてベッドのサイドのミニテーブルにトレイを置いた。
「美味そ、」
湯気を立てるお皿を見て、砂川くんがそんなことを言うから、逆に緊張してきた。
もし口に合わなかったらどうしよう。
砂川くんが料理上手なのを十二分に知っているから余計に不安になる。