素直になれない、金曜日
だって、はじめてなんだ。
会えただけでわくわくして
話せただけで嬉しくて
名前を呼ばれただけでどきどきする。
こんなのはじめてだから、まだこの気持ちを大切にしていたいの。
「もしかして、あいつと会うの今日が初めてじゃなかったりする?」
「……ふふ、それは内緒!」
知っているんだ。
あの日────出逢った日、優しく微笑んだきみが、ただの無愛想なだけの人じゃないってことを。
「ねえ、私、砂川くんのこと、もっと知りたいって思ってるんだ」
「……そっか、がんばれ」
きっと、これは
これから始まるきらめく日々の
ほんの幕開けにすぎない。