素直になれない、金曜日
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数日後の放課後。



「えっ!?今日の掃除当番 由良(ゆら)たちじゃない?」


「やだあっ、放課後残って掃除とか超ダルいじゃーんっ」




榎木(えのき)さんたちの声が響いて、教室から出ようとしていた足がぴたりと止まった。


ううん、自ら足を止めなくたって。





「そうだっ、桜庭さんなら代わりにやってくれるんじゃない?この前の日直日誌も代わってくれたしー」


「それ名案!」




予想通り、私の名前が登場した。

何も聞こえなかったふりをして、さりげなく振り返る。





榎木さんの桃色のカーディガン、それから高めのサイドポニーが目を引く。

たしか、昨日はツインテール……だったっけ。




彼女たちが派手というより、私が地味なだけかもしれない。

自分の白色カーデに視線を落として、なんとなくそう思った。




「ね、桜庭さんっ」




榎木さん─────榎木 由良(えのき ゆら)さんが可愛らしく微笑みながら私の方へ歩み寄る。


その光景にどことなく、既視感を覚えた。



それもそのはずだ、毎日のように同じことを繰り返しているのだから。




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