素直になれない、金曜日


でも。



「私は大丈夫だよ」

「……全然、大丈夫じゃないから」

「でも、小春も葵依ちゃんもいるし……」




ふたりを放っておくわけにはいかないもの。

そう思って首を振ると砂川くんは、はあ、と溜息をついた。




「ふたりのことは、俺が見とくから」

「え……」


「……女の子なんだから、体、大事にしなよ」




真摯な声でそう言われてしまえば、砂川くんの優しさを無下にはできなくて。


お言葉に甘えて、着替えるべく自室に向かった。




濡れた制服を脱いで、タオルで身体を拭いて。部屋着のワンピースに着替えてパーカーを羽織れば、少し身体が温まってきた。




ふと思い出して制服のスカートに入れっぱなしだったケータイを確認すれば、お母さんからメッセージが入っていて。




[ スーパーに夕飯の買い物に行ってくるね ]




それで、やっと腑に落ちた。

いつもは、もうお母さんが帰ってきているはずの時間なのに、家にいないからどうしたのかなって思っていたんだ。




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