素直になれない、金曜日


「もうこんな時間だし、そろそろ俺ら帰るよ」


砂川くんの言葉に、葵依ちゃんは残念そうな表情を見せたけれど時計を見ればたしかにもう帰らなきゃいけないような時間で。


私も頷いて立ち上がる。




「えっと……途中まで送っていくよ?」



私がそう言うと、砂川くんは首を横に振った。


もう私の家までの道を覚えたらしい。

さすが、砂川くん。



方向音痴の私なら、絶対に一回なんかじゃ覚えられない。




「じゃあ、玄関まで送るね」




そう言って、小春と共に玄関へ向かう。

靴を履いて外へ向かう砂川くんと葵依ちゃん。




「今日はありがと。じゃあ、また」

「うん、またね」




砂川くんが先に家から出ていく。


葵依ちゃんも名残惜しそうに、ばいばい、と手を振りながら砂川くんの後を追って。



小春とふたり、手を振りながら見送っていると砂川くんがふと振り返った。





「桜庭さんってさ」


「……?」





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