素直になれない、金曜日


きょとんとする私。



「なんか、見てて心配になる。……葵依に似てるっていうか」


「っ?」


「じゃあ、また学校で」




言うだけ言い残して、砂川くんは葵依ちゃんの手を取ってさっさと去って行ってしまった。


その場に取り残された私は首を傾げる。




見ていて心配に……?
葵依ちゃん、みたい?



どういう意味だろうと首を傾げて。

考えているときにふと気づいた。




私って、砂川くんに言われたことばかり意識してる?

きっと、ほかの人に同じことを言われたとしても、こんなにも気になったりなんかしないのに。





今日一日を振り返りながら、そっと目を伏せる。



奇跡みたいな一日だった。

放課後誰かとこうやって約束することなんてないと思ってたし、ましてや男の子を家にあげる日が来るなんて思わなかった。



特別、なんだと思う。



一言一句に動揺して、
どきどきしたり気になったり振り回されて。


どうしたって意識してしまうのに、
だけど、それが全然嫌じゃない。





私にとって砂川くんは────

たぶん、今誰よりも特別な人。






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