今宵は遣らずの雨

玄胤が去ったあと、小夜里は布団の中で思いをめぐらせた。

因果なものだ、と思った。

嫁入っていた時分は、周りからあんなに望まれていたというのに。

子ができぬゆえに離縁されたというのに。


……まさか、あのとき、ただ一度の契りで。
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