女の賞味期限
「いいじゃん、いいじゃん。」

そして勝手に、ソファに座るし。

「ところで、そのおばさんは誰?」

「お、おばさん!?」

知らない人に急に家に上がられて、おばさん!?

「花梨。失礼だろ。謝れ。」

気を利かせて、大成君が言ってくれた。

「私から見たら、おばさんだもん。」

「あのなぁ!」

「だって、男を目の前にして、化粧もしてないし、なにその汚いジャージ。そういうところが、おばさんだって言ってるの!」

私は、口を開けてポカーンとしてしまった。

惨敗。

何も言えなかった。

確かに仕事から帰って来たとは言え、あまりにも大成君を意識していなかった。

「大成もそう思うでしょ。」

私はちらっと、大成君を見た。

「まあ……少しは……」

頭の上に、何かが落ちた。

ははは。大成君にも、おばさんって思われてたのね。

私はかつてない程の、深いため息をついた。
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