【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「俺、自分の行動を感情に動かされることがなくてさ。まあ誰かと深く関わることに重きを置いてないから、ってこともあるんだけど。今日はダメだった。ホントあいつなんなんだよ……。久々にイライラした……」
「え……」
「あー、わかるよ、何言いたいか。いい年して何言ってんのお前ってね。いや俺もそう思うもん。だけどね……あの間接キスは効いたよな……」
「あの……剣崎さんが私のグラスに……」
「そう、それ!マジで何してくれてんのって思ったけど、それ以上に美緒が平然としてるからさ。あれ、剣崎のこと嫌なわけじゃないんだ、って思ったらまたムカムカしてきて、それで……」
「それで……?」
「そ、それで……美緒に……無理矢理……。ごめんなさい……」
やっぱり今の暁斗さんは可愛いと思ってしまう。
でも本当に今私の目の前にいる暁斗さんからは反省していることがストレートに伝わってくる。
それにどこかしょんぼりしたように見えるところが、いつもの堂々と、自信たっぷりな彼からはかけ離れていて、そのギャップが堪らなくいとおしいとさえ思えてしまう。
「謝らないでください。私、怒ってませんよ?」
「本当に……?」
「はい。全然嫌じゃなかったかったです」
私がこう答えると、暁斗さんはその答えが予想外だったのか、私のことを観察するようにじっと見つめてきた。
「美緒が嫌じゃなかったのは、どうして?」
「え?」
「だって普通は嫌でしょ?突然あんな風に襲われたら。俺のこと嫌いになっても不思議じゃないと思うんだけど」
「そ、そうですよね……。でも私、本当に嫌じゃなくて……」
嫌じゃない理由を改めて聞かれると答えるのは難しい。
今まで恋愛というものを経験してこなかったせいもあって、この感情を恋と呼んでいいのかがわからないのだ。