【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う


「ああ、三原?さっきまでその辺に見えてたけど、いないね。もしかして他の女の子と消えてたりして」

「そ、そんなこと暁斗さんは……」

「しないって?ははっ、君は何にも知らないんだね。あいつは俺と同類だよ。女なんて信用できない、ただのモノとして扱うのが一番楽だって思ってる」


そう言って剣崎さんは私へ同意を求めるような目を向けるけど、私はそれに反論や同意が出来るほど暁斗さんのことを知らない。

確かに女性のことは信用できないと言っていた。
けれど剣崎さんが暁斗さんのことを『同類』と呼ぶことには嫌悪しか感じない。

何を考えているのか掴めないところはあるけれど、停電でパニックになった私を心配してそばにいてくれた暁斗さん。
義母の話をすることが私にとって負担になると気遣ってくれた、あれが暁斗さんの本質なんだと私は思ってる。

人の弱味につけこんで思い通りに動かそうとする剣崎さんと同じだとは思えない。思いたくない。


「私は、暁斗さんのこと全部は知らないけど、剣崎さんと同じタイプだとは思ってません」

「ははっ、暁斗さんとか呼んでるの?もしかしてもうあいつに手なずけられちゃってる?あいつも手が早いね」

「何もされてません。あなたとは違います」

「えー、ひどいな……」


剣崎さんに連れられ、いつの間にか会場の入り口からは大分遠ざかり、ロビーの端の人気のないところへ来てしまっていた。


「でもそうだね、俺はあいつと違うかも」

「え……、あっ……!」


突然、剣崎さんに腕を強く引かれ、ロビーの奥の立ち並ぶ柱の後ろに押しこまれる。
背中に伝わる冷たい柱の感触。
剣崎さんは両腕を柱について、私が逃げられないように取り囲んでしまった。

< 96 / 117 >

この作品をシェア

pagetop