浅葱色が愛した嘘
そんな様子につくづく呆れ返る土方。
一向に動こうとしない少女。
どうするべきか土方は悩んでいた。
しかし女の目的はただ一つ。
「わかった。
刀は返すから山崎を離せ。
こっちも女相手に無礼が過ぎた。
これでお互い様といこうじゃねぇか。」
「ですが、土方さん!!」
「まぁ落ち着けよ、斎藤。」
この女…只者じゃねぇのは確かだ。
さっきの様子じゃ間者でもなさそうだし斬る理由もねぇ。
だが身軽さやこの敏感さ、刀の使い方には随分慣れてやがる。
このまま刀を返すだけってのもな……
そうか_____
っと土方は小さく笑った。