浅葱色が愛した嘘



しかし、そんなある日。



土方は沖田と桔梗を副長室に呼び出した。



特に隊務ではミスをする事はなく、
呼び出される事に覚えがない二人は不思議に思いながらも副長室の襖の前に立った。







『土方さん、澄朔です。』






『あぁ、総司もいるな。



中に入れ。』





土方の返事を確認するとゆっくりと襖を開けた。


副長室には


局長である近藤、総長の山南、


土方をはじめ、幹部の斎藤と

観察方の山崎がいた。






『幹部の人間が集まってどうしたんだ?』




この部屋の空気はあまりいいものではなく、

最初から部屋にいた五人はなんだか険しい顔をしていた。








『澄朔、総司、すまないな。


いきなり呼び出して…

まぁ、とりあえず座ってくれ。』




近藤はいつもより少し低い声。





『とりあえず、今回の話は澄朔。


お前に聞きたい事があってここに来てもらった。


山崎!!』





『はい。』





『調査報告をしてやれ。』



どうやら、話は桔梗にあったらしい。


土方はいつも以上に鋭い目つきで半分、睨むような形で桔梗を見つめていた。



< 133 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop