浅葱色が愛した嘘




_____八
年前______






当時、桔梗まだ十歳の子供だった。



山の奥深く、小さな山小屋に


そこには桔梗と、

桔梗が兄のように慕っていた澄朔(すさ)



そして、妹のように可愛がっていた雛野(ひなの)と暮らしていた。





桔梗が新撰組で名乗っていた澄朔と言う名前は、彼の名だった。








『桔梗?

君は人間ではない。分かるね?』





『うん!』




『その力は強大だ。
上手く制御しなければいけない。』





澄朔は桔梗が妖である事を知っていた。


この力が幕府の者に知られ利用されないよう、人目を遠ざけてこの地に移住してきたのだ。



桔梗以外のこの二人は純正の人間___。






澄朔は毎日のように、

桔梗に訓練をしてきた。



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