浅葱色が愛した嘘
ドタドタドタドタ…!!!
何匹もの馬の足音が地面に響き、
馬に乗った人間たちは死体の中に立っていた桔梗を一斉に取り囲んだ。
『おい!誰かと思えば小せぇ餓鬼だ!』
『おいおい、こんな餓鬼が死体(ゴミ)のど真ん中にいるたぁ、気味が悪いな。』
桔梗を囲んだ一人が馬から降り、刀を抜いた。
『殺すのか?』
桔梗は小さな声でその男に問いかけた。
『当たりめぇだ。
お嬢ちゃんも運が悪かったな。』
こんな小さな子供にでさえ、男たちは刀を向ける。
桔梗は怯える素振りを見せる事なく、薄っすらと口角を上げて微笑んだ。
『そうか_____。
ならお前たち、斬られても文句はないな?』
その言葉と同時に桔梗から放たれたのは殺気。
ゆっくりと目を閉じ、刀を構え、
その群青色の目を開いた時には、
その瞳は赤く、血の色を放っていた。
『ぐはッ』
『ぎゃぁぁぁぁ!!!』
次々に聞こえる男たちの悲鳴。
桔梗は表情を変える事なく、自分の何倍もの男たちを斬り殺さしていった。
そして、その戦場にただ一人生き残ったのは
違和感すら感じさせる白く美しい肌を持ち、淡く光る群青色の瞳をしている
小さな少女だけだった。