浅葱色が愛した嘘
『いやぁぁぁぁ!!!!!』
桔梗の悲鳴と共に小屋は炎に耐えきれず、崩れ落ちていった。
物心ついた時から、周りには澄朔がいて、雛野がいた。
本来、居場所などなかった桔梗に与えられた唯一の居場所。
まだ十歳の少女はこらから一人で生きていかなければいけない。
人里に降りたとしても狩りしかしてこなかった桔梗は
町での生き方が分からなかった。
唯一、残ったのは刀______。
桔梗はこの時、誓った。
刀と共に生きると___。
溢れでる涙をこすり、強く前を向いた。
そして自身が持つ
刀だけを身につけ、桔梗は山を降りた。