浅葱色が愛した嘘
町に出れば、そこの大人たちは突然現れた小さく、まるで人形のような美しい娘を取り合うようにしていた。
『お嬢ちゃん!今日はうちにおいで!』
『ほら!これ美味しいお饅頭!』
人間は優しかった。
ご飯も寝る所もお風呂も用意してくれて_____。
新しい着物までも、桔梗に与えた。
だが、桔梗はまだ十歳。
今まで狩りの時しか人間と関わってこなかった桔梗は
喉の渇きに苦しんだ。
水を飲んでも潤う事はない。
頭から水をかぶろうが渇きは癒えない。
その時、気づいたんだ。
血でなけらばこの渇きは潤わない事に………。