浅葱色が愛した嘘




「やー!!」


辿り着いた稽古場には無数の男たちの大きな声が辺りに響き渡っていた。


「甘いぞ!!
そんな隙だらけで敵に向かってどうする!!」


それに対し、一人の青年は厳しい声を浴びせていた。


「総司!!永倉!!」


土方の声にその場で稽古していた隊士たち全員の声が止む。


そして一気に桔梗へと注目が集まった。



「土方さんこんな所へどうしたんですか?」



「あぁ、総司。邪魔したな。

こいつなんだが、今日から新撰組の隊士として迎え入れる事になった。
お前たちの隊士と手合わせをしてやってくれねぇか?」



総司と呼ばれた青年は桔梗の顔を見るとふわりと微笑んだ。


「君が入隊希望の子?

僕は一番隊隊長、沖田総司。
それでこっちは永倉新八。」


「よろしくな!!」



桔梗は二人の顔を見比べた。
きっとそれなりに強いのだろう。

そう感じ取っていた。


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