浅葱色が愛した嘘
『弱いな____。
お前はいつからそんなに弱くなった?』
澄朔の体には傷一つない。
全くの無傷だ。
桔梗でさえも歯が立たない。
こんなに傷を負った事すらも初めてだった。
相手は人間ではなく、妖______。
この場にいる中で、澄朔を殺れるのは自分だけだと、刀を握っている手に力が入る。
しかし、目の色が変わる程度の妖力解放(ようりきかいほう)だけでは勝てない。
だったらどうすれば_____。
桔梗にとってこれ以上の強い妖の力を使うのは危険だった。
人間のような心無くしたくないと願う桔梗にとっては尚更。
しかし、それ以上にも
自分が死に、次の標的が沖田に及ぶのだけは嫌だった。
だったらやらなきゃいけない事は一つ………
完全なる妖力を引き出す事_____。