浅葱色が愛した嘘
沖田たちが屯所に着いた頃にはもう既に朝日は登り始めていた。
沖田は桔梗を医療室に運び、別室にいた山崎を叩き起こす。
桔梗が怪我をしたという話を聞きつけ、医療室に足を運んだ山崎だったが、あまりの重症さに言葉を失っていた。
『なんやこれ……
どない戦い方したらこんなボロボロになんねん!
血だってまだ止まっとらんやないか!
何があったんや!』
本来なら心臓が動いているだけでも奇跡と言っていいくらい。
呼吸をしているのでさえも、山崎は驚きを隠せない。
『後で全部説明するから!
今は桔梗を…早く!』
沖田は今にも泣き出しそうな子供みたいな顔をしていた。
山崎はそれに答えるかのように懸命に治療をしていく。
そして、気づけば日は沈んでいた。