浅葱色が愛した嘘
桔梗が眠り、もう一月が過ぎた。
沖田は桔梗の側を離れようとはしない。
桔梗は未だ、美しい寝顔で一定の呼吸を保ちながらピクリとも動くことなく眠っている。
まともに飯も食べていない沖田は以前よりも少し痩せていた。
『沖田さん、何か食べな自分の身体がもたへんで?』
時々、桔梗の治療を行う山崎は笑う事も泣く事、怒る事もしない無表情の沖田に話かける。
『僕は大丈夫。』
決まって言う台詞は(大丈夫)。
それ以降、何も話す事はなかった。