浅葱色が愛した嘘
自分の意思とは関係なく、身体は妖の血に蝕まれ心まで喰われていく。
『妖は人間と生きる事を許してはくれない。
だから、必然的にやがては完全なる妖狐になるようにと、
何らかのきっかけで鎖が解ける事は、
桔梗は生まれた時から決まっていた。』
決して逃げる事の出来ない運命。
変えられない未来。
出会わなければよかった。
出会わなければ…
人間の優しさに触れ、人間を愛し、人間と共に生きたいと願わなかったのに。
『桔梗…だから君は還るんだ!
いつかの運命(さだめ)を悔やむ前に、今を精一杯生きろ。
愛する者の所に行き、想いを愛を、ちゃんと伝えてくるんだ。』
澄朔は桔梗の背中を押した。
絶対に振り向いてはいけない。
そう言いながら__________________