浅葱色が愛した嘘





それからというものの、桔梗は毎日のように隊務をこなしていった。



誰よりも働き、沖田と桔梗が組めば敵などいない。


そしてやがて、噂されるようになっていた。




(新撰組、一番隊隊長、沖田に続き


赤い目をした腕利きの美しき鬼神がいる。)




……………と。




『はぁ、はぁ、はぁ、…』






最近、妖力を長時間使い続けるとすぐ息が上がる。



身体中を血が駆け巡り、ゾワゾワとした感覚が離れない。





(………いたッ)





頭にキーンとした痛みも走り、


身体がだんだんと熱くなる。




この感覚は完全なる妖力解放をした時と全く同じ感覚だった。





よせ、やめろ。


落ち着くんだ。


意識を集中させ、血を抑え込め。






血塗られた運命_____。


呪われし一族の血筋_____。




桔梗は実感していた。


もうこの身体は妖狐の血に支配されつつあることを……。




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