浅葱色が愛した嘘
『それで…お前はいつここを出て行くんだ?』
まだ最低でもお腹が大きくなる前…
だけど桔梗はそんな土方の期待をサラッと裏切った。
『明日の日の出までには出て行く。』
『!?!?
そんなすぐ出てっだって行く場所なんなねぇだろ!』
今の総司には桔梗が必要だ。
二ヶ月もの間、気を失っている桔梗を前にあいつは生きた屍みてぇな顔をしてた。
それがこんなすぐにお前が脱走したって総司に告げれば
今度こそ、本当に心が壊れちまう。
でも…桔梗は…
『土方さん…私は貴方を信じてる。
どうか、総司を守ってあげてほしい。
私が生涯唯一、愛したあの人をお願いします。』
桔梗は深く頭を下げた。
声は震えている。
桔梗は小さな肩を小刻みに震わせ、泣いていた。