浅葱色が愛した嘘





肌と肌が触れ合う温もりは桔梗にとって幸せを感じ、独りじゃない事を教えてくれる瞬間でもあった。





自分の横で幸せそうに眠る沖田の姿を桔梗はずっと眺めている。






この時間が永遠に続けば…



このまま時が止まってしまえばいいのに…




叶いもしない幸せへの欲が溢れ出して止まらない。



幸せの意味を知ってしまった桔梗にとって


愛する者同士が離れなければいけないという辛さなんて初めてだった。





総司…もう私の事は愛さなくていい。


だから、遠くで見守っていて。


何もかもが初めてだった。

間違っていないと思えた事も…。


陽だまりのように優しい笑顔や温もりが

私の生きる道を照らしてくれた。




その人は生涯たった一人…









貴方だけでしょう______。





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