浅葱色が愛した嘘
どちらも一歩も譲らない。
周りで見ている方が気迫に押されて息を飲む。
この試合の終わりはないのではないかと思わせる程だ。
だんだんと息が上がり始める沖田。
その一方で桔梗の呼吸は乱れる事なく表情さえも崩さない。
このままだと僕の体力の方が保たないかも。
それにしても強いなぁ。
もうこれは最終手段に出なきゃだね。
沖田は少し桔梗との間に距離を取りそのまま突っ込んだ。
ちっ、一気に攻めてくる気だ。
喉、鳩尾、胸。
ガッガッガン_________
「!?!?!?」
「沖田の三段突きを全部止めた…」
斎藤は言葉を漏らした。
他の隊士や土方、永倉、山崎も信じられないといった様子。
「沖田と言ったな。
確かにいい動きだ______
危うく私も仕留められる所だったぞ。
だが………」
沖田の木刀を弾き返し
勝負をつけようと踏み切った瞬間、
「くっ___!?」
左胸に刻まれた刻印が熱を帯び、痛み始めた。