浅葱色が愛した嘘
その日の夜。
桔梗は沖田の自室で布団を引き、横になろうとしていた。
明日は初めて与えられた隊務を遂行する一日。
それになんと言っても長州の人間を殺せる。
ただそれだけで桔梗はよかった。
『ねぇ、澄朔。
本当に大丈夫?』
『何が?』
『正面から突っ込むって…
澄朔が囮になるもうなもんだ。
僕は納得出来ない。』
『心配などするな。
私は死なない。
復讐を果たすまでは死んでも死にきれない。』
桔梗は人間ではない。
しかし、その事実も知る者はこの新撰組には誰一人としいない。