浅葱色が愛した嘘
そして今日。
長州の者を斬る日がやってきた。
生温い風が匂う。
新撰組から返してもらった刀を身につけ、いざ寺へと参る。
『いいか、ここで分かれるぞ。
澄朔、俺たちはお前の合図ど飛び出す。
頼んだ。
くれぐれも無茶だけはするなよ。』
近藤は大きな手を桔梗の頭に乗せ、ポンポンと撫でた。
その言葉に桔梗は頷き一人、寺へと向かう。
『総司…そんな心配すんじゃねーよ。
あいつは大丈夫だ。』
その頃、土方は沖田にそう告げていた。
バンッ!!!!
桔梗は勢いよく寺の戸を開けた。
そこには長州の者と思われる人間が30人前後。
人数の多さは情報で聞いていたよりもはるかに多かった。
しかし、桔梗にとってどれほどの人間が集った所でなにも変わらない。
天井上には山崎が居る事、
裏には近藤、土方、斎藤がいる事もちゃんと確認していた。
『誰だ!貴様!』
突然現れた桔梗に驚いた長州の人間は一斉に刀を抜いた。
『我、新撰組一番隊。澄朔。
お前らの首を狩る者だ。』
桔梗は刀を構えると、そのまま
正面から突っ込んでいった。