浅葱色が愛した嘘
世が開け、いつもと変わらない日の光が地上を照らす。
そして毎朝毎朝、新撰組の朝は騒がしい。
『腹減ったー!!
飯!早く俺の飯!』
勢いよく食堂に入ってきたのは十番隊隊長の原田左之助。
『おい、原田!
今日は俺のおかず取るなよ!』
『ぱっつぁん、だからって昨日みたいに俺の所からおかず取るのはなしだからな!』
その後に続いて、永倉新八、藤堂平助も続いてやってきた。
桔梗が見てきた限り、この三人は隊務以外はいつも一緒にいる印象がある。
『お!澄朔!
久しぶりじゃねーか!』
原田は桔梗の姿を見つけ、隣に座った。
永倉、藤堂も桔梗を囲むように座る。
今日は一段と、桔梗の朝はうるさい。
『おい、澄朔~
聞いたぞ!
お前、長州30人相手に一人で戦ったらしいな!』
原田は口にご飯を放り込みながら喋り続ける。
桔梗はそのほとんどの話を聞いていない。
『おい、聞いてるのか~?』
原田は桔梗との距離を縮め、顔を近づけた瞬間、
スパッ_______________
二人の間を裂くように何かが通った。
『ねぇ、原田さん。
そんな澄朔に顔をくっつけて何してんの?』
そこにはうっすらとどす黒い笑みを浮かべ、目だけは笑っていない沖田の姿。