浅葱色が愛した嘘
部屋に戻った桔梗はその場に大きく横になる。
(『昨日の君は別人だった。
まるで、血の海に潜む鬼神…。』)
沖田の言葉が耳に残る。
あの時は妖の力を使ってはいない。
だから、目だっていつもと変わらなかったはず。
でも、沖田は別人だと言った。
私の本当の姿を見たらどうするんだろうな。
こんな所来なければよかった。
人間となど、触れ合わなければよかった。
(人間として生きたい。)
これは最も望んではいけない、
愚かで決して叶うことのない儚い願いだ。