浅葱色が愛した嘘
『それでは桔梗。
くれぐれも気をつけるでありんす。
お前は普通の遊女とは違う。
本来は新撰組なんじゃ。
下手打ちは死を招く。
ある程度はわっちもかばってやれるが
それ以上の事はしてやれん。
分かるな?』
『あぁ。
ここまでの協力ですら感謝している。』
『土方さんはいつも無理難題をおっしゃるお方じゃ。
これくらいの事がなんぞ。
それと、桔梗。
ここではわっちや他の遊女同様、廓言葉を使っておくんなんし。』
廓言葉とは、島原で統一された話し方。
それも遊女としての客に対する礼儀の一つでもある。