浅葱色が愛した嘘





『それでは桔梗。

くれぐれも気をつけるでありんす。
お前は普通の遊女とは違う。


本来は新撰組なんじゃ。
下手打ちは死を招く。

ある程度はわっちもかばってやれるが
それ以上の事はしてやれん。

分かるな?』





『あぁ。
ここまでの協力ですら感謝している。』





『土方さんはいつも無理難題をおっしゃるお方じゃ。

これくらいの事がなんぞ。

それと、桔梗。
ここではわっちや他の遊女同様、廓言葉を使っておくんなんし。』





廓言葉とは、島原で統一された話し方。


それも遊女としての客に対する礼儀の一つでもある。



< 70 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop